白昼夢中遊行症

2019-02-01から1ヶ月間の記事一覧

夏休みの終わりに

ぼくの夏休みがいよいよ終わろうとしている。去年、大学を休学するということで無理やりに引き延ばされた夏休みが、あとひと月もすれば明けて、ぼくは再び大学に通うことになる。 今日、およそ半年ぶりに大学へ行った。カウンセラーの人と、これからどうする…

葦舟ナツ『ひきこもりの弟だった』を読む

たまには背伸びしないで気楽に読める本でも、と思い手に取ったのがこの本だった。 この本の帯には、「この本を読んで何も感じなかったとしたら、それはある意味で、とても幸せなことだと思う」といったことが書かれていた。 ぼくはどうだったか。何か感じた…

倦怠の春

倦怠感。しかもこれはいつも感じているものではなく、季節によるものだ。花粉症によるものだ。それがなければ今日は調子のいい日だった。花粉症による倦怠感が、それを覆いつくして余りある程度の調子のよさではあったが。 どんな季節にもそれを嫌う理由があ…

立ちつくす僕

ぼくはどうしようもなく子供だ。体ばかりが大きくなってしまった。ぼくは物心ついた頃から足踏みしている。ぼくはなぜ、ここに立っているのか。ここに立っているのが、どうしてぼくでなければならなかったのか。そんな問いかけを二十余年、うんざりするくら…

断想

自死の誘惑が押し寄せてきては、いろいろなものを奪い去っていく。もはやまともに生きていく希望もないし、その気もない。おれを取り巻くすべての人はおれに憎しみをいだくばかりか、おれを見て見ぬふりをする。おれはさいきん被害妄想ばかりしているし、と…

無為に過ごす休日、少し先の不安と生きることのもの悲しさ

12時に目を覚まし、飯を食べに行く。帰ってきて、本を読んでいるといつのまにか眠っていた。 再び目を覚ますと19時だった。体に残る倦怠感を振りほどいていたら、21時になっていた。スーパーに食材を買いに行く。しかし何か料理するのも面倒で、半額の総菜と…

断想

曇り空の毎日のなかで、たまにあらわれる晴れ間は、はやくも春の到来を告げていた。今日はまさに散歩日和の暖かさで、ぼくはひさしぶりに外をまともに歩いた。散歩といっても、目的なくぶらつく、ということがどうしてか苦手で、いつもいつの間にかどこかの…

書くことについて

ブログなんてものをやってはいるが、おれは文章を書くことが大の苦手で、宿題で読書感想文なんかが課されたときも、なんやかんやで何も書かずにやり過ごしてきたたちだ。 そんなおれがどうしてブログをやっているんだろうかと、ふと思うことがある。文章を書…

「この街は死んでいる」

二月十二日 雲は晴れて太陽と青い空があらわになっていた。ぼくは眩しい日差しに目を伏せて、いつもの商店街へ歩いていた。 商店街のアーケードに入ると、大学生くらいの男三人組が古い映画のポスターなどのある店から出てきた。 横並びに歩いて邪魔だなと思…

苦しみを生産してはいけない

子を作りたいと考える者のなんと身勝手なことか。自らの都合で不幸な人間を生産することの罪悪に無自覚である。人類愛から子を生したいと思う者だけが子を生すべきだ。そうすれば、この世界はもっと生きやすいものになるだろう。少なくとも人口が減って、争…

生きることは疲れる。

生きるのは疲れる。と言っているぼくはどこか嬉しそうだ。人生そのものに一歩引いた姿勢をとるような、普通とは違う考え方をもとことへの喜びをかみしめているようだ。今日も無意味な人間の営みに身をすり減らして、一日を空しく浪費した。忌まわしき人間ど…

夜眠り、朝起きること

昨日は1時半に寝て、けさ8時45分に目覚める。このところ夜眠り、朝起きることができている。ぼくはかくあるべきことをしている。 まともな人間になれるだろうか。いつまでこの真似事が続くだろうか。どうしてかいまは憂鬱な気分が和らいで、夜はすんなり眠れ…

まともな人間になるために

たとえば、夜更かしをしないこと——日付が変わるころには眠り、仕事で遅くなった日にはすぐに寝支度をすること。朝は決まった時間に起きること。食事は三食食べること。間食はほどほどにすること。何かしらの労働に従事すること。労働とは別に、自らの仕事を…

断想

まともな人生を送りたいのなら、まともな人生を送っているように見せかけねばならない。そして、その見せかけの生活はおのれのすべての熱意をもって一心に演じなければならない。それも、死ぬまで。そうすればいつしか、現実の方が虚構を模倣して、ぼくのま…

断想

外の空気を吸い込むと、冬の冷たさの中にも暖かさを感じる。太陽の光は少し眩しい。雲一つない青い空が、いつもの青さでそこにあって、ぼくはそれを見上げた。 空気の匂いは空気の匂いとして感じ、日なたの暖かさは日なたの暖かさと感じ、太陽の光のまぶしさ…

断想

手で文字を書いていないと、字が汚くなるうえ、漢字も書けなくなる。 眠れないから仕方なく、寝ないことにした。寝過ごすというリスクを回避した代わりに、パフォーマンスを犠牲にした。いまにも眠りそうだが、いまさら眠っては、せっかく回避したリスクに、…

断想

家に帰るとまず、帰りがけに買った缶チューハイを体内に流し込み、シャワーを浴びる。それで寝てしまえばいいのに、目がさえてるとか、まだこれで眠るわけにはいかない気がするというある種の強迫観念から、本を読みだしたり、日記を書いたりするのだが、そ…

断想

夢は醒めるし、季節は巡る。終わりのない夏休みもない。 ぼくは、去年の夏休みから大学を休学している。ぼくは夏休みのあと、そのまま休み続けた。それは小学生のころぼくが求めていた、終わらない夏休みのはじまりだった。 でも、こうしていると、終わらな…