白昼夢中遊行症

2019-03-01から1ヶ月間の記事一覧

夏休みのおわりに

カーテンを開ければ外が明るくて、部屋の明かりをつける必要がない。外に出れば、太陽の光はまだぼくの目には眩しくて、目に映るものはみな鮮明に、それぞれの色が生き生きと感じられ、すこし驚く。世界がこんなにも色鮮やかであったことを思い出す。 三月が…

温かいルイボスティー

つい先日、暖かい日があったと思えば、また一気に冷え込んだりするのがこの季節の嫌なところだ。雨がしとしと、まるで梅雨どきのように降り続く日々。これにもうんざりさせられる。 寒いとき、しかしエアコンをつけるほどでもないとき、おれは茶を飲んで暖を…

断想

歩いていると、いきなり地面が解けるような錯覚に陥ることがある。目の前の景色がぐにゃりと歪んで、立つことがおぼつかなくなる。そういうとき、だいたいの場合はろくなことを考えていない。ぼくはいつもろくなことを考えていないので、こうしたことはよく…

ひさびさに酒に飲まれた

酒飲んでゲロ吐いた。その気持ち悪さを引きずって今日という一日は過ぎ去っていった。 おれは飲み会というのがあまり好きではない。飲み会ってのはたいていが飲み放題で、飲み放題というのはなにか酒というものが軽視されているというか、酒をじっくり味わう…

言葉に詰まる夜がある

おれはひとりだ。そうなるのを望んだのは、ほかでもないおれ自身なのだけれど。時々すごく寂しくなる。おれが自ら距離を置いたいくつかの場所に、もう帰ることはない。 今のおれに帰る場所というのがあるのだろうか。実家はそうかもしれないが、なんだか実家…

断想

日記の書けない日々が続いている。 五〇年二月 記憶が次第に逃れ去る。日記をつけることを決意せねばならぬだろう。ドラクロワのいうことは正しい。日記につけ落された日々は存在しなかったも同然であると。きっと四月にはぼくに自由が戻ってくるだろう。 『…

断想

おれは夜眠れないのか、眠らないという決断を知らず知らずのうちに下しているのか。もはやなんだか分からなくなった。うんざりするような日々の反復。日が昇るころに眠り、バイトの時間に起きる。たとえシフトが日付をまたいでいなくても、それで早く眠れる…

花粉症者の春

春という季節は本来、散歩に適した季節だというのに、花粉症のために、ぼくは何かから逃げるような生活を強いられる。なるべく外出しないようにして、外に出るときは帽子とマスクをして、化繊のジャケットを着る。春の暖かい空気を胸いっぱいに吸い込むこと…

断想

二月二八日 部屋で微睡んでいると、呼び鈴に呼び覚まされた。amazonからの荷物を受け取った。なにか夢を見ていた気がするが、思い出せなかった。ふたたびベッドに横になり、夢の続きを見ようとしたが、すでに意識は覚醒しきっていた。 三月一日 いつのまにか…