白昼夢中遊行症

断想

バイトをやめることになった。これが私にとって「ほんとうに」よいことかどうかは現時点ではわからないが、バイトをすることが私に一種の視野狭窄をもたらしていたということは事実なので、その点からしてみれば、よいことなのだと信じるしかない。

さて、ひさびさに日記を書くというのだから、何か語りたいところだけれど、やっぱり語るべきことが見当たらない。ここ最近の私はといえば、日々の生のルーティンをこなすのみであったからだ。すでにバイトにも出勤していなかったし、それで時間が空いたからといって、突飛なことをするほど行動力に満ち満ちた人間でもない。むしろ私は、必要がなければ何もしたがらない人間なのだ。私が特にする必要のないことをしているときは、それは何かの間違いでそうしてしまったことなのだ。ここ最近の私は、毎日、その半分以上を睡りに費やしている。唯一、夢の中でのみ私は行動できる。私が本来いるべき場所は向こうなのではなかったかと思い違いをするほどに、私は夢になじんでいる。今日はずいぶん夜更かしをしている。目はすでに閉じかかっている。どうして私はこの日記を書いているのだろうか。おそらく、バイトをやめることになったということが喜ばしいのか、あるいは実は悔やまれるようなことだったのだろう。その衝撃が、私に気の迷いを起こさせたのだろう。

もう語ることはない。私は帰るべき場所へ、少なくとも私はそう思っている場所へと帰る準備をしよう。「ほんとうは」そこにも居場所はないのだが、雨宿りくらいならさせてくれるだろうと私が勝手にそう思っている場所へ行くとしよう。