白昼夢中遊行症

断想

朝おきる。マグカップに二杯の牛乳を飲む。シリアルを食べる。食べたあと、インスタントのコーヒーを飲んで、軽めの本を読む。昼前くらいになったら、勉強のノルマに取りかかる。やっておくべきことは大体午前の内に終わらせるようにしておく。

昼飯は家で食べることもあれば、近所の牛丼チェーンで食べることもある。いずれにせよ、なるべく無駄金を使わないことだ。家で食べたらその腹ごなしに、外に食べに行ったときには、そのままの流れで外を歩く。雨降りでない限り、散歩は欠かさないようにしている。そうすることが私が私であるために必要だと信じているからだ。

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私はこの時期は花粉症で、そのうえどこにもマスクが売っておらず、花粉症に効く薬を買う金もない今、そして、はやり病がもはや、われらの日常を覆い尽くそうとしている今、なるべく外出は避けるべきなのだろうが、それでも私は歩かなければならない。当然、人混みや空気のよどんだ場所は避けなければいけないし、電車のつり革やエスカレーターの手すりなどにも気をつけなければいけない。外から帰ったときには必ず手洗いとうがいをして、顔も洗う。しかし、こうした暴力によって破壊された日常の中にも、まだ壊れないで残っているものがある。それを自分でだめにしてはいけない。

気の済むまで外を歩いたら、スーパーで買い物をして帰る。なるべく酒は買わないように気をつける。買うにしても、量のあるものは買わないように。酒はあるだけ飲んでしまう。とくに、理由なくワインや日本酒を買ってはいけない。理由があっても、それが酒を買うためにでっち上げられたものであってはならない。蒸留酒ならまだ飲みきる前に気を失うが、その時、私の日常はばらばらに解体されることになる。自分で自分をだめにするようなことは、そう頻繁にあってはならないことだ。なんにせよ、酒はなるべく飲まないに越したことはない。

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夜。鍋に顆粒だしを水で溶き、野菜を入れて火にかける。加熱しているあいだにシャワーを浴びておく。電気コンロなので、火事の心配はおそらくないはずだ。食事が物足りないと感じても、余計なものをコンビニに買いに行くのは悪手だ。それは意味のないことだ。「ちょっと物足りない」という気持ちが満たされるようなことはない。むしろ食べ過ぎで気持ち悪くなるのが落ちだ。

なるべく日付の変わらぬうちに眠ること。やり残したことがあるような気がしても、それを今日のうちに済ませることはできない。ただただ後味の悪い状態が長引くだけだ。私にできることはといえば、それを明日やること、そして明日のよい目覚めのために、じゅうぶんに眠ることだ。