白昼夢中遊行症

【登校自粛】リモート講義(受ける側)雑感【一日目】

いつだったか、緊急事態宣言が地域限定から全国へと拡げらた。それを受けて私の通う大学でも、当面のあいだ学生の大学構内への立ち入りが禁じられた。したがって(これまでも一部の授業を遠隔化しようという動きはあったのだが、)当面のあいだ、すべての授業がリモートで行われることになった。

そうして今年度最初の授業日が今日だったのだが、それを終えた感想は、意外と悪くない、というかむしろ私はこの形式の方がやりやすいな、というものだった。

「この状況だから大学からのメールはちゃんと見とけよ」という大学からのメールを無視して昨日まで過ごしてきたので、いくつか不利になるような事態——授業用のオンライン・ワークスペースに入れない(履修登録の2日後に自動で入れられる)——が生じたりもしたが、受けられる授業を受けた限りではけっこうな好感触だった。

何より大学に行く必要がないのが良い。流行病があるからとか関係なしに人混みが死ぬほど嫌いで、人混みの中で講義を受けなければならないというのは大学に進学したことを悔いた理由のおそらく一番目、少なくとも三番以内に入るくらいだ。思い返せば高校の教室まではまだソーシャル・ディスタンスが確保されていたと思う。大学に進学して最初のガイダンスを受けながら、隣の人と肩がぶつかるくらいの距離感で二時間じっと話を聞いていなければならないということに絶望したものだ。

今日の講義は自分の部屋、自分のデスクで、隣の席の人に遠慮する必要もなく、非常にのびのびと受講することができた。じっと座っていることに耐えきれなくなれば立ち上がってストレッチすればいい。いきなり立ち上がったからといって講師や後ろの席の人に白い目で見られることはない。落ち着かなくなったら回転する椅子でぐるぐる回っていたら気持ちが落ち着く。教室移動をする必要もない。だから人混みの中をぬって歩く必要も全くないわけだ。少人数でのインタラクティブな演習はZoomなどで行うけれど、それ以外は各教員が用意した課題をこなすだけなので、自分で時間割を再編集したってかまわない。アクセス集中の負担軽減のために、オンラインで配信される教材は期限付きとはいえ余裕をもたせてあるので、少なくともその日のうちにやれば良い。だから昼休みは必要なだけとれば良いし、逆に昼休みをとれないなんてこともないだろう。

教員の人は大変だろうと思う。Zoomを使った授業で、研究室で一人でしゃべっているというシチュエーションが精神的にきついとぼやいていた教員もいた。オンライン教材を用意するのも大変だろうし、学生と顔を全く合わせない状態でフィードバックをなんとか回収しつつ授業を組み立てていくのも難しいことだろう。しかし、引きこもり気質の、人間嫌いの一人の学生にとっては、この形式の授業が性に合っているのだろう。

とはいえ、まだ一日目だ。これでリモート講義のすべての面が分かったわけでもないし、むしろほとんど分かっていないだろう。果たして私は今学期何単位取得することができるのだろうか。

お題「#おうち時間