白昼夢中遊行症

断想

今週は仕事が月曜日しかなかった。しかしながら、事情があって家にいることもできない。なので、ずっと外をほっつき歩いていた。

毎日、コメダ珈琲店にお金を落として、そこで時間をつぶしていた。

本を読んでいた。『原民喜戦後全小説』1と『小説の読み方、書き方、訳し方』2原民喜の文章にはなにか惹かれるものがある。全集とかどこかで読めないか、探しておこうと思う。柴田元幸高橋源一郎の対談は、さっと取り出して軽く読める。知っている本、知らない本など、いろんな本の話が出る。こういうのを読むと、読みたい本がいろいろあるのを思い出し、本を読むのにもっと時間を割きたいと思うのだけれど、なかなか実際にそうすることができない。

久しぶりにノートを購入し、手書きで文字を書いてみる。これが何というか、しっくり来たので、使う目途が立っていないにもかかわらず、ちょっといいノート3も買ってしまった。使う目途が立っていないどころか、使っていないノートも山ほどあった気がする。買う必要は明らかになかった。しかし、ノートというものにはおれを惹きつける何かがある。糸でとじられたもの、リングでまとめられたもの、ホッチキス止めされたもの、蝋引き表紙のもの、スエード調の表紙のもの、グラシン紙で包まれたもの、表面が滑らかなもの、ざらざらしているもの、などなど、じつに個性豊かで、文具屋のノート売り場にいると、ときに時間を忘れる。「おれは文具屋のノート売り場だけで軽く2時間くらいは潰せる」と大学生のころ同級生の人に話すと、信じられないと言われた。おれを信じろ。

万年筆を取り出してきて、使いさしのインクも無事だった4ので、それを吸入して使う。1年以上使っていなかったけど、これまた、とてもしっくりくる。しかし、不注意からペン先を曲げてしまう。これによって書き味が明らかに悪くなってしまった。ペンクリニックが近々あるらしいので、そちらに駆け込むつもりだ。まだ予約が開いていたらいいのだけれど。

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家にいればお金を使うこともそんなにないのだが、外をほっつき歩いているせいで、コーヒー代とか、カレー代とか、書店で見ていて読みたくなってしまった本代とか、雑貨屋で見ていて欲しくなってしまった諸々代とか何やかんやと、お金を使いすぎてしまった。

今月は仕事が少ない。少ないということは、儲からないということだ。にもかかわらず、お金を使いすぎた。先月は毎日12時間近く働き、ときに休日出勤もした。 それで得た金が、プラスマイナスゼロ、くらいになってしまったような気がする。5月からはまた、忙しく働かないといけない。働き先を増やす、というのも考えたほうがいいかもしれない。 とにかく、金が欲しい。

このカレーを出す店はちょっとわかりにくいところにあった


  1. 原民喜原民喜戦後全小説』(講談社文芸文庫, 2015)

  2. 柴田元幸高橋源一郎『小説の読み方、書き方、訳し方』(河出文庫, 2013)

  3. ミドリ「MDノート ジャーナル〈A5〉 ブロック方眼罫 192ページ」

  4. 以前、インクに黴が発生していたことがあった。それ以来インクの扱いには気を付けているが、使っていない時期が長かっただけあり、実際に見るまで気が気でなかった。