白昼夢中遊行症

今日も寒い

  • ゴールデンウィークなんてものがあるということをすっかり忘れていた。

  • 7時58分起床。睡眠時間は5時間48分。必要な睡眠時間を大きく下回っている。

  • 8時1分に測定した体温は36.0度。目覚めてすぐの体温としてはやや高い。

  • 朝食は牛乳を二杯。チーズ一欠けら。

  • 今日は仕事があるので、電車の時間に余裕を持って家を出る。

  • 駅のファミリーマートでペットボトルの水を購入する。

    • ファミリーマートプライベートブランドの水のパッケージが変わって以来、プライベートブランドの水は買わなくなった。
    • あの、ゴシック体で真ん中にデンと商品名が書かれたデザインが、なんとなく手に取る気を失せさせる。水のパッケージデザインに、こだわりなんてないはずなのだが。味は気に入っていたのだが。
    • 代わりにいつも購入するようになったのはサントリーの天然水。今日も、いつもと同じく、サントリーの天然水を購入する。価格は税込み108円。
  • 仕事先へは、途中で電車を乗り換えるとすぐ近くまで行けるのだが、いつも乗り換えずにその路線での最寄り駅まで行く。

    • 交通費を節約するため、というのもあるし、歩くため、というのもある。
      • こうして歩くことで、最低限の運動はできる。
      • 今日は5348歩歩いた。あれ、いつもより少ない。なぜ……?
        • 移動時にスマートフォンをポケットに入れずにカバンに入れていたからか、うまく測れていない。
        • いつもはこれで7000歩以上歩いている。
  • 昼食はローソンで野菜ジュース的なものとカロリーメイト的なものとウインナーを購入し、橋の下で食べる。今日の昼食は467円。思ったよりも高くついた。

  • セブンイレブンルイボスティー(100円)を購入して会社に戻り、午後の仕事をする。

  • 午後になって、急に寒くなる。 帰りは震えながら歩く。

  • 寒いからか何か食べたいような気がして、また、電車まで14分ほど時間があったので、駅前のセブンイレブンに寄る。おにぎりと塩レモンから揚げ棒と菓子をいくつか購入する。675円。つい、余計な買い物をしてしまったと思う。

  • 駅のホームの下で電車を待ちながらおにぎりと塩レモンから揚げ棒を食べる。

    • 食べているうちに、電車が来る。
    • 急いで階段を上がり、電車に乗って帰る。
    • 帰る、というのだろうか。そこは、帰るべき場所なのだろうか。
    • やはり、そこには自分の居るべき場所ではないような気がする。
    • 自分のいるべき場所は、そこにはないような気がする。

匐い寄るやうな気分で、椅子の上に腰を下す。テーブルの上の新聞紙をそつと除けてみると、たしかに何か食べものが置いてある。僕は手探りで箸を探す。だが、ふとぼんやり疑が浮ぶ。僕は食べて差しつかへないのだらうか、これはほんとに僕のだらうか……。何かわからないが僕に課せられてゐる苛責が、それが冷やかに僕の眼の前に据ゑてあるのではないか……。だが、僕はわからないが、その、しーんとしたものを既に食べ始めてゐる。冷たい菜つぱ汁とずるずるの甘藷が、暗闇のなかで僕に感じられる。僕は食べながら、かすかに泣いてゐるやうな気がする。

——原民喜「魔のひととき」1

原民喜の小説の、そんな場面が思い出される。それと比べれば、自分の状況は大分ましだ。彼の繊細さに比べれば、自分はずいぶん図太いように思う。この図太さゆえ、生きるのに向いている、とも思う。生きるのに向いているからといって、それで生きるに値する、というわけではない。自分は生きるに値する人間なのだろうか。彼は生きるのに向いていないながらも生きて、少なくとも自分の心を感動させるような、そしておそらく、多くの人の心を感動させるような仕事をした。自分は何も為していないし、何も成さないだろう。そんな自分が、どうして生きているのだろう。

  • そんな迷いは振り払って、今日も生きる。今日も歩く。