白昼夢中遊行症

断想

12:14 PM

1

本を読もうとしたのだが、ここは屋根があるのに風が吹いているせいで、雨が入ってくる。すこしくらい濡れても構わないが、すこしくらいではすまなそうだったので、やめた。

2

何かを書こうかと思った。が、気乗りしない。いつものことだ。いつも、私は何かを書くことに乗り気ではない。

3

人間、命が有限であるからこそ輝けるのだ、なんていう人がいるが、そんなわけがない。不死であることが可能なら、そのほうが良い。といっても、べつに生きているいことがすばらしいとは思っていないし、長く生きることがいいことだとも思わない。ただ、いくら誤魔化したって、死ねば終わりだ。一瞬の輝きやら、それが残していった残像やら、そんなものが一体なんだっていうのだ。残像は錯覚に過ぎないし、その錯覚も、時間とともに消えていく。消えてしまったら、死んでしまったら意味がない。それを何か誤魔化して、いいこと言ったふりをしても無駄だ。

4

死は生を際立たせるものはないし、また、どんな意味であっても救いではない。死は生きるというプロセスの完了形である、なんて言っていた奴もいた1が、なんにせよ、死についてのいかなる見解も役には立たない。死がいったいなんであれ、それが分かったとして、なんの役にも立たない。生きることの意味を問うたところでなんの役にも立たないことと、その無意味さは似ている。

5

近いうちに、全てが終わる気がしている。ここ数年、ずっとそんな気がしている。いや、もしかすると生まれた時から、ずっとそんな気がしている。終わるのなら、さっさと終わってくれ。なんて思ったり、いいや、まだ終わるべきときではない、なんて思ったり。いずれにせよ、何かが終わる気配がしている。その気配とともに、私は時間を過ごしてきた。しかし不安はない。もうすでに終わっているからかもしれない。私はもう終わりだ。終わりならよかったのに。私はまだ持続している。

私はまだ持続している。