白昼夢中遊行症

断想

多くのものを取り落としながら、日々が過ぎていく。

わたしの手の中には、いったいなにが握られているのだろうか。

それとも、なにかを握っているつもりで、その中にはなにもないのか。

わたしは多くのものを失くしてきた。しかし、何を失くしたのか、分からない。

あるのはただ、取り返しがつかない悲しみのみ。悲しみが、わたしの手の中にあるものなのだろうか。