白昼夢中遊行症

断想

そういえば
もう秋なんだっけか
まだ暑いけれど

でも確かに感じる
雲の動きとか
陽の射す角度とか
群れる虫たちや
樹々のざわめきに
確かに秋の面影をみた

ような気がする
気のせいかもしれない
まだ暑いから

昔は星々から季節を知ることができたという
いま、空を見上げても星々は見えない
人々は街灯で夜を照らして
夜の空の光を落とした
星々が作る星座も
星座が語る神話も
誰も覚えてはいない

まだ暑い
夜の空に星々は見えない
わたしは虫を踏み潰し
イヤホンで耳を塞いだ

秋が来たのかどうか
いまだ確証が持てないでいる