白昼夢中遊行症

2019-09-01から1ヶ月間の記事一覧

抑うつの秋

吹く風が、肌寒く感じたら秋だ。当たり前だ。気づけば、もう10月になろうとしているのだ。おれは比喩ではなく、実際に終わらない夏休みに入ろうとしている。子供のわがままで、無理やりに引き伸ばされた夏。おれが夏休みから抜け出すことができるのはいつの…

断想

ドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』を読んでいる。今読まなければ一生読む機会がないかもしれないと思ったからだ。年々長編を読む力がなくなっていっているように感じる。そもそも、来年もわたしが生きているという保証がない。肉体的に生きてはいて…

断想

なぜ私が今すぐ死なないのかといえば、そのほうがより苦痛が少ないと信じているからだ。しかしそれは誤りである。たとえば今ここで、腹を割いて失血死するさいの苦痛と、このまま生きているという苦痛とをくらべてみよう。腹を割いて死ぬ苦痛というのを私は…

断想

今週のお題「部活」 なぜ私がこの世界に生きづらさを感じているのかといえば、この世界の如何なる人間とも、少なくとも私の周囲にいる如何なる人間とも、私の生きるこの世の地獄というものを共有できずにいるからだ。彼らはみな、現状に不満をいだいていると…

断想

失われた想い出を取り戻す、といった内容のゲームが、今や思い出されるのみのものとなって、ひと月以上が経った。もうそんなに経ったのか、という思いと、まだ一ヶ月しか経っていないのか、という思いが入り混じっている。鮮明だった想い出は次第に薄れ、淡…

断想

私は、私が以前とくらべて無感覚になっていることにふと気がついた。最後に空をじっくり眺めたのはいつだったろうか。当てもなく歩き回って、それで少しも退屈しなかったのだけれど、いつからか、そんなことをしようと思わなくなっていた。そんなことをする…

断想

河原にて積む石は、鬼の手にかかるまでもなく幾度となく崩れ去る。石積みは鬼によって無意味になるのではなく、それ自体が何の甲斐ない行ないのだ。 何かを積むという行為、その全てに、最終的な崩壊が含まれている。しからば、私が日々、自らの生を積み上げ…