白昼夢中遊行症

断想

河原にて積む石は、鬼の手にかかるまでもなく幾度となく崩れ去る。石積みは鬼によって無意味になるのではなく、それ自体が何の甲斐ない行ないのだ。

何かを積むという行為、その全てに、最終的な崩壊が含まれている。しからば、私が日々、自らの生を積み上げていく行為に、何の意味があるというのか。最後は自らの重さが、それまでを巻き込んで、みな一瞬のうちに崩れ落ちる。残るのは、無様な徒労の形跡としての石ころの集まりだけだ。それらも、元からそこにあったものと見分けがつかない。つまりほとんど何も残らない。ただ、私の徒な努力、その苦痛の余韻だけが静けさの中にこだまする。