白昼夢中遊行症

2024-011

アフリカの子供を助けるための募金ってやつを、昔からよく聞くのだが、これって結局のところ、いいことなんだろうか。
もし、生きながらえたところでその先に待っているのが、飢えと紛争に明け暮れる日々なのであれば、死んでいくままにしてやるべきだ。
もし生かすとするなら、そいつの人生すべてに、いやすべてとまでは言わない。せめてそいつが人殺しにならないように、責任を持つべきだ。
医療ってのも考えものだ。ひとり生かすことによって、将来そいつの手によって十人殺されるかもしれない。だからおれは無責任にアフリカの子供にワクチン注射を受けさせるための募金、なんてのはまっぴらゴメンだ。
だいいち、いくらの募金で何人の子供が助かるとかって、そんなふうに命の一つ一つをカネや数字で勘定するのがいやらしい。
数字でしか実感できないものは、居ないのと同じだ。ならば確かに目に見えるものを助けろよ。常日ごろ、困っている人間のいかに多いことか。まず手を差し伸べるべきはこうした人たちではないのか。

紛争を止めるために武器や暴力を持ち込むくらいなら静観していたほうがマシだ。そのうち馬鹿らしくなってくるんだから。こうした荒事にいちいち首を突っ込むやつってのは、戦争したいだけなんだ、結局。