白昼夢中遊行症

夏休みの終わりに

ぼくの夏休みがいよいよ終わろうとしている。去年、大学を休学するということで無理やりに引き延ばされた夏休みが、あとひと月もすれば明けて、ぼくは再び大学に通うことになる。

今日、およそ半年ぶりに大学へ行った。カウンセラーの人と、これからどうするべきかという相談をするために。大学の授業を何度も休んでいたころは一度も利用したことがなかったのだが、夏休み明けを目前にして初めてそこを利用することになった。

そこでは、まずは自分で生活習慣を整えるように言われた。休学する直前などは夜眠れずに、夜が明けてやっと眠気がやって来るのだが、その時間に眠ったと思えば、起きたとき、その日に取っている授業のすべてが終わっていた、なんてことが多々あった。

したがって、大学に行かなくなった直接の原因といえば、授業を寝過ごすことが多かったということで、そうならないためには早くベッドに入り、そして眠り、朝起きられるようにする、というのが肝要である。そして、その妨げになるような夜遅くのバイトは、よほどお金に困っているという事情がないのならば、やめるのが良いと言われた。ぼくもその通りだと思った。

しかし、そうはいっても自由に使えるお金というのは欲しいもので、金がある、というのがとても大きな心の支えになるということを去年のぼくは痛感している。なのでせいぜいバイトは続ける、しかし夜遅くまでは働かないことにする、といったくらいが関の山だ。

というわけで、ひとまずはそのような感じで、生活のリズムを夜型のものから朝型のものに改めるように試みるよう言われた。そして、それでも夜に眠れないなら、お薬を処方してくれる医者を紹介することも考えよう、と。

まあそんな感じで、何ら特別なことを言われたわけでもなし、不安が一気に晴れたというわけでもないが、カウンセラーのお墨付きをもらったというのは気の弱い自分にとっては助かることだ。というのも、これを口実にバイトのシフトを夜遅くまで入れないように頼むことができるからだ。

ぼくの休学している間の半年間の生活の、およそ半分がバイトであったが、それも所詮、ぼくという人間の一部でしかないわけで、バイト内の立場と、大学卒業とでいえば大学卒業のほうがぼくにとって重要なものである。だからぼくはこのカウンセラーの助言を盾にバイト先と交渉する、というのが次やるべきことだ。

まともな人間になるために。