おれはそれを、締め切り時間ぴったりに、そこへもっていった。
息を切らして、時間を見ずに、まだ受け付けているのか、と
おれは尋ねる。窓口の人は肯く。
おれは手に持っていた、まだ糊が固まっていないそいつを差し出す。
受付の人は、おれに何やら書類を差し出すように要求する。
おれは息が戻っていなくて、まともにしゃべれないでいる。
そうしているうちに、紙を渡され、そこにいろいろ書くように言われる。
時間は過ぎてるけど、まあいいのでとりあえずここに書いてください。
おれはそこに書く。何をかを書く。
丁寧に書いてくださいねといわれるが、おれの文字はたぶん丁寧ではなかった。
ちょっと文字を書き間違えた。受付の人に、誤字は二重線でいいですかと、おれ。
いいですよ、と。やがて書き終えて、紙を渡す。
ついでに、紙に何やら書いているうちに糊が固まったかと思われるそれも渡す。
23枚の紙を束ねたそれを、おれは確かにもっていった。
間に合ってしまったことを、間に合ってしまったあとに深く後悔するが、もうどうにもならない。
おれはあきらめて、自分のねぐらに帰る。
たまらなく眠たい。
ここ何日かで眠り方を忘れてしまっただけに、よけいに眠たく感じる。
しかし、眠りたいとは思わない。
同じように、すっかり腹が減っていることに気づくが、なにかを食べたいとは思わない。
自分が存在しているということを、自分自身も含め、誰にも悟られたくない。
できることなら。