白昼夢中遊行症

何もない

11月第2週

火曜日

記録なし。

水曜日

記録なし

木曜日

記録なし。

金曜日

記録なし。

土曜日

記録なし。

日曜日

記録なし。

所感

特になし。


何もない。
書き残しておきたいことなど、何もない。

日記を書くモチベーションとは何なのだろう。
書き残しておきたいような素晴らしい人生があるのなら、教えてほしい。

それとも、書き残しておくことで、日々が素晴らしいものになるのか?
時間を隔てて接する日々は、どんなものでも素晴らしいというのか?

しかし、私はこの1週間を書き損じてしまった。これから先も何日も書き損じるだろう。

これまでの人生も、ほとんどが残っていない。
書き残された日々も、真実ではない。

真実ではない日々が素晴らしかったとて、私の人生の価値は変わらない。

こんなことよりも書き残しておくべき言葉が、いくつかあったような気がする。しかし、それらはもう、はじけて消えた。
代わりに、こんなひとりごと。

いつもと変わらぬ、日々と人生への恨みつらみ。
立派な人間になりたかったのだろうか?
そうでもない。何にもなりたくなかった。
立派な人間にも、碌でもない人間にも。
人間ですら、可能であれば、返上したいところだが、かといってそのほかであるのも嫌だな。

結局のところ、いまのままでいることが、まだマシなのだろうか。人間でいることが……?

しかし人間は、いまだに数字で殺人を行い、数字でそれを報道し、その数字に涙を流したりデモをしたり人道支援したりする。

人間はみんな、人間を辞めたいらしいよな。
人間を辞めて、何になりたいのかわからないけど。人間であることの醍醐味を返上している。
そんなふうに見える。
そんなことを、人間であることの醍醐味を知らず、しかも考えることもせずに言ってしまったりする。