白昼夢中遊行症

断想

何もない。実のところ、何もないのだ。書き残しておくべきことなど。だって、おれは真実を書き残したことがない。

残しておきたいと偽って、その実おれは、何も残してはいない。あるのは虚偽の記録だけ。

これだって、だからどうというわけでもない、なんの価値もないつぶやきだ。

まったく、ずっとこんなのなんだ。おれは急所を匿ったまま。なにも成長しない、しようとしない。

これだって、ずっとぼんやりとした言葉ばかりを選んで、本当のことに触れるのをずっと避けている。

本当に、こんなのばかりだから、何もないのだ。実のところは。