白昼夢中遊行症

断想

バイトはもういいや、と思いつつも金に目が眩んでしまう。

かつて自分にとってバイトは給料を得る以上のものを求めていたし、実際にそれを得られていたように感じていたが、今はそのようなことはない。ただただ面倒なだけで、しかし金が必要で、金をもらっているからにはそれ相応のことをしないといけない、というのもあって一応は真面目に働いているのだけれど、今やバイトは気休めの場ではなくなった。要らぬ責任を押し付けられて、余計なことに時間を取られる。だからバイトはもういいや。しかし金は必要で、いや、時間はもっと大切なはずで……

そうだ、時間と金、どっちが大切なんだ。そりゃあ時間だろう。金は時間を得るためのもので、金を得るために時間を不当に売りさばいてしまうというのは元も子もないことだと思わないか。

おれには時間が必要なんだ。何よりも時間が。しかし、休みの日、時間のある日、何をしているかといえば、何もしていない。売り飛ばしてしまった方が幾らかましだと思えるくらいに何にもしていない。読まないといけない本は頭に入ってこなくて、5分も読めない。しないといけない課題とか、語学の学習にもいまいち身が入らない。まずはこういった時間をきちんと活かせるようになること。バイトを辞めて時間を作るのはそれからでもいいだろう。

とか言いつつも本当は、現状に留まるのが楽だから、こうして動きを緩慢にする言い訳をでっち上げているだけなのだ。