白昼夢中遊行症

日用品を買わなかった

今日は大学に行く日だったので、どうしても午前中には起きなければならなかった。なので、昨晩はいつもよりも早めに眠った。といっても、早めに眠ろうとして眠れるわけでもなく、とにかく横になっていた。おかげで、今朝は午前9時に目を覚ました。

起きたとき、まだ気温が上がりきっていなかったので、湯を沸かしてほうじ茶を淹れた。いつもは目覚めて最初に飲むのは牛乳なのだが、最近は辛くなってきた。先に熱い茶を飲んで体を温めてから牛乳を飲む。体が冷える。

授業を受けて、まっすぐ帰ってくる。カレーを作って食べる。日用品を買いに行く。無印良品でキッチンスポンジとソープディッシュと泡立てボールを購入する。紙袋に詰めてもらう。スーパーで酒と惣菜と懐中しるこを買う。マイバッグに詰める。そのとき、持っていた紙袋を置き忘れたまま店を出るが、そのことにはまだ気づいていない。

帰宅して早速古いスポンジを捨てて新しいスポンジをおろそうとしたときにようやく、それを置き忘れてきたことに気づく。しかし、今から取りに戻ったとして、再びこの手に戻すのにはいろいろ手間がかかりそうだ。たぶん遺失物としてどこかがあずかっているだろうが、それがどこなのか、尋ねたり探したりして歩きまわるのも面倒だ。意に反して馴れないことをするのはストレスにもなる。

……よし、現実から目をそらすか。今日の買い物はなかったことにしよう。だれがなんと言おうと、サイフの中からレシートが出てこようと、そんな事実はなかったのだ。

おれは今日、無印良品で日用品を買わなかった。