白昼夢中遊行症

眠れずに明ける夜

だいたい月に一度、眠れない日がある。今日がその日だ。そしてその日を境にしばらく、自分の思い通りにいく日が続くのだが、その調子の良さは右肩下がりだ。一ヶ月のサイクルで、下降と急激な上昇を繰り返す。自分のことがだいたいわかってきた。しかし、それをどうしたら真っ当な人間に仕立て上げることができるのだろうか。その答えは未だにわからない。

眠れないといっても、寝不足の症状をともなっているから、とくに活動的というわけでもない。しかし常にそわそわとしていて、頭の中ではうるさい声がなにごとかをまくし立て、そのせいで思考は明晰ではなく、本を読むにも集中できない。もっとも、いつも思考は明晰さを欠いているし、本はそれほど読まない。頭の声は、たとえ音楽を聴いていても治らない。普段ならば治るのだが、こういった日には治らない。

眠れないといっても、本当に力尽きると、糸が切れるようにして気絶する。そうやって消耗していくのだ。これによって右肩下がりに調子が落ちていく。どうしたら真っ当に生きていけるのか、そもそも生きるのに向いていないのか。もしそうならばそうと言ってくれれば、諦めがつく。もしくはそれに抗おうという気になる。しかしそれは内発的な動機ではないから、真っ当に生きることではない。ぼくは大真面目でないといけない。それができない。

飯でも食いにいくか。