白昼夢中遊行症

断想

0:10 AM (10/06/22)

1

今日は仕事で一日をどうにかやり過ごすことができた。しかし、明日はまた、なにも約束されていない。残業にも休日出勤にも、法律ギリギリまで応じていた私が、急にすることがなくなった。そうなると、きっとろくなことにはならない。わたしは何かをしでかすだろう。何を……? わたしは何かをやらかすだろう。きっとそうなる。

2

ひっそりと安堵している自分もいる。わたしはへとへとだった。わたしは働き詰めだった。休みがあってはじめて、自分が疲れていることに気がついた。たぶん、過労死する人間は疲れなんて感じていないのだろう。何事も過剰になるためには、それを受容する感覚が鈍麻していなければいけない。

3

明日は何をしてやり過ごせばいいだろう。金はない。遊び場も知らない。体力もなければ趣味もない。ただ、家にいてはいけない。そのために、眠りこけることもできない。

4

わたしは排除されている。排除された人間に、落ち着ける場所はない。排除された人間は、歩かなければならない。眠りながらも歩き続けなければならない。どこへ向かうでもなく、歩いてゆかなければならない。どこへ行ったとしても、受け入れられることはない。だから、宙ぶらりんのまま、ここからそこへ、そこからあそこへ、そしてどこかへ……

でもまあ、それだって悪くはないだろう。わたしはわたしのそうした運命を承認する。

5

わたしはわたしの居場所を探しているわけではない。わたしはただ、少し疲れただけ。疲れないようにしたって、歩き続ければ疲れるものだ。わたしはなるべく疲れないで歩くやり方を知らなければならないし、なるべく長く歩けるように持久力をつけなければならない。あまりに長いこと休んではいけない。よそ者に気を使う奴などいないから、踏み潰されて死んでしまうだろう。そうならないためにも歩くのだ。疲れないように、斃れないように……