白昼夢中遊行症

断想

ちゃんとしていない文章を書きたい。いや普段から、そんなちゃんとした文章を書いているわけではないけれど、それにしてもなんだか、できるだけ綺麗になるように、できるだけ意味が通るように、なんて思って書いている自分を見つける。だけどそうじゃないはずだ。おれの頭の中にある言葉はそんなんじゃないはずだ。おれの中にある言葉はもっとばらばらで、ざっくばらんの罵詈雑言で、複雑な猥雑で、誰も聞いていないのに演説口調で、誰も側にいないのに誰かに親しげに話しかけていて、そうかと思えば辛辣で、そうかと思えばひとりで、やたらと一文が長かったり短かったり、とにかく適切ではなく、読みづらく、リズムもクソもなく、音読にも適さず、誤字脱字は後から直すし、意味のわからぬ引用があるし、主語がないし、述語もないし、そうかと思えば変な術語を持ち出して、しかも間違っていたりして、でもそんなのどうでもよくて、恥も外聞もなく、なりふり構わず、誰かの猿真似で、同じ言葉の繰り返しで、その繰り返しにときに気づかず、ときに気づいており、おれだけの言葉といいながら、オリジナリティはまるでなく、それでも開き直って浮かんでくるがままに書きたいのだが、こんなのでいいのだろうか。

いや、違うな。何だろう、何が違うのだろう。